洞然(読み)とうぜん

精選版 日本国語大辞典 「洞然」の意味・読み・例文・類語

とう‐ぜん【洞然】

〘形動タリ〙 (「どうぜん」とも)
洞穴のようなさま。洞穴のように抜け通っているさま。ぽっかりと大穴のあいているさま。奥深くて静寂なさま。また、雑念がなくて心が空なさま。
※塩山和泥合水集(1386)「情雲すでに消し、識浪やうやうやみ、知見洞然明白なり」
※自然と人生(1900)〈徳富蘆花〉湘南雑事「十二月の月何事か後山の上に出たり。洞然(トウゼン)として未だ光なし」 〔柳宗元‐小石城山記〕
② ぼんやりとしたさま。
※浮世草子・万の文反古(1696)五「只洞然(トウセン)として暮すうちにも」

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普及版 字通 「洞然」の読み・字形・画数・意味

【洞然】どうぜん

明らか。さとる。清・顧炎武〔楊雪臣に与ふ〕人(いやし)くも(あまね)く五經を讀み、略(ほぼ)鑑にぜば、天下の事、自(おのづか)ら洞然たるべし。患は聲利のはすと爲りて、悟らざるに在るのみ。

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