泰山・岱山・太山(読み)たいざん

精選版 日本国語大辞典 「泰山・岱山・太山」の意味・読み・例文・類語

たい‐ざん【泰山・岱山・太山】

(「たいさん」とも)
[1]
[一] 中国、山東省の泰安県の北にある山。中国五岳の一つ。秦・漢時代から皇帝封禅(ほうぜん)の儀式を行なった所で、玉皇祠などの名勝古跡に富む。東岳。タイシャン。
※本朝文粋(1060頃)三・弁山水〈大江澄明〉「泰山阿中。桂葉蒙霜而猶緑」 〔晉書‐孫恵伝〕
[二] 「たいさんぶくん(泰山府君)(一)(一)」の略。
今昔(1120頃か)九「其の王をば趙の武の霊王と云ふ。今、此の国をば惣(す)べて、大山の控摂し給ふ事を受て」
[2] 〘名〙
① ((一)から転じて) 高く大きな山。大山。また、大山のように立派な様子。
※海道記(1223頃)極楽西方に非ず「無始生死の間に塵の結縁積て泰山となり、露の功徳たまりて蒼海とたたへて」
② 妻の父をいう。唐の玄宗のとき、泰山(一)(一)での封禅の際に、張説の女婿である鄭鎰(ていいつ)が説の力で昇進したのを、泰山の力によると言った故事に基づく。〔布令字弁(1868‐72)〕
[補注]五岳の一つの「泰山」と、大きな山の意の「大山」とが、意味を重ね合わせて用いられることが多い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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