波衣(読み)ナミギヌ

デジタル大辞泉 「波衣」の意味・読み・例文・類語

なみ‐ぎぬ【波衣】

大嘗祭だいじょうさいのとき、天皇沐浴もくよくする湯槽ゆぶねにおおう絹。

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精選版 日本国語大辞典 「波衣」の意味・読み・例文・類語

なみ‐ぎぬ【波衣】

〘名〙
大嘗会(だいじょうえ)の時、天子沐浴(もくよく)する浴槽をおおう絹。
※御代始鈔(1461頃)大嘗会の事「浪ぎぬといふは、御湯舟におほふきぬ也」
近世采女装束一種赤地金泥青海波文様を表現した衣(きぬ)

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世界大百科事典(旧版)内の波衣の言及

【襅】より

…神事に奉仕するものが衣服の上に着ける白衣。たとえば大嘗会(だいじようえ)のさいに,神饌(しんせん)や陪膳(ばいぜん)に奉仕する女官(采女(うねめ))の装束では,白の小袖に紅の切袴(きりばかま),これに絵衣(えぎぬ)という白地に草花模様を泥絵で描いた袿(うちき)様の衣を着け,さらに波衣(なみごろも)という薄縹(はなだ)に白く青海波をあらわした唐衣(からぎぬ)様の短衣を重ね,その上に襅を打ちかけて着るのである。こういう近世の襅は,白の生絹に草花や水などの模様を藍摺(あいずり)にしたもので,形も祭事に男子の用いる小忌衣(おみごろも)と似て,身二幅に袖一幅でおくみのない,襟つきの垂領(たりくび)形であるが,本来は小忌衣が垂領形であるのに対して,襅は貫頭衣形のものであったらしい。…

※「波衣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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