法泉寺跡(読み)ほうせんじあと

日本歴史地名大系 「法泉寺跡」の解説

法泉寺跡
ほうせんじあと

[現在地名]山口市滝町

こうみねの東南麓に位置する。寺の規模は不明であるが、現在跡地を法泉寺の浴ほうせんじのえきとよぶ。

臨済宗で、開山は円語硯渓禅師であるが、創建年月や開基などは不詳。応永六年(一三九九)大内義弘は鎌倉公方足利満兼と結び、泉州さかい(現大阪府堺市)の城に拠って、後村上天皇の皇子師成親王を奉じ、将軍足利義満に抗して戦ったがついに戦死した。応永の乱である。義弘の弟弘茂は将軍にくだり、周防長門の守護職を安堵されたが、師成親王は周防に下り、法泉寺で落飾、法名を恵梵とした。「群書類従」所収の「李花集」奥書に「此本書、先師兵部卿師成親王筆跡也、教弘相伝之」とあり、その周防在国中、大内教弘に歌道の伝授をしたことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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