泉正寺町(読み)せんしようじちよう

日本歴史地名大系 「泉正寺町」の解説

泉正寺町
せんしようじちよう

中京区蛸薬師高倉西入

東西に通る蛸薬師たこやくし通を挟む両側町。東側は高倉たかくら(旧高倉小路)に面する。

平安京の条坊では左京四条四坊一保二町南及び二保三町北。平安中期以降は四条坊門高倉小路の西。

「日本紀略」長元二年(一〇二九)六月七日条に「今夜、東宮妃一品内親王(禎子)産生、出権中納言道方卿四条坊門高倉宅給」とあり、藤原道方邸があった。

泉正寺町
せんしようじちよう

下京区高辻通柳馬場西入

東西に通る高辻たかつじ(旧高辻小路)を挟む両側町。

平安京の条坊では町の北側が左京五条四坊二保六町南、南側は同五町の北にあたる。応永三二年(一四二五)酒屋交名(北野天満宮史料)によれば「兵衛三郎 高辻富少路南東頬 吉房在判」と記され、酒屋が居住

寛永一四年(一六三七)洛中絵図に「せんしやうじ町」とみえ、中井家系の洛中絵図では江戸時代を通じて変化はないが、寛永一八年以前平安城町並図や寛文五年(一六六五)刊「京雀」では「藪の下町」とみえる。現町名について「坊目誌」は、往時泉正寺という寺院が存在したことによるとするが、泉正寺の存在を証する史料はない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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