出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
大阪府南西部の大阪湾岸に位置する市。大津町が1942年市制,改称。人口7万7548(2010)。市域は大津川北岸の沖積平野を占める。東隣の和泉市府中に奈良・平安時代には和泉国府が置かれ,大津はその外港をなしていた。江戸時代には紀州街道に助松宿があり,また綿作が盛んで縞木綿と真田紐の加工が行われていた。明治中期からは牛毛を原料とする牛毛布,次いで綿ネルによる綿毛布の生産が始まり,この毛布工業は軍需拡大に伴って急成長し,現在全国生産高の95%以上を占める。中小零細規模の工場が大部分で,ほかに服地,セーター,メリヤスや染色加工など繊維関係工業が発達している。南海電鉄本線沿いには大小の住宅団地が多い。1957年から堺・泉北臨海工業地帯の造成が進み,鉄鋼,機械,運輸,倉庫,セメント,石油などの企業が立地し,泉大津港は泉北港へと拡張され特定重要港湾となり,フェリーターミナルもある。和泉市との境には弥生時代の大集落として知られる池上・曾根遺跡のほか,市内には助松田中本陣,重要文化財の泉穴師神社がある。
執筆者:服部 昌之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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