20世紀日本人名事典 「河合 栄治郎」の解説
河合 栄治郎
カワイ エイジロウ
大正・昭和期の社会思想家,経済学者 東京帝国大学教授。
- 生年
- 明治24(1891)年2月13日
- 没年
- 昭和19(1944)年2月15日
- 出生地
- 東京・千住
- 本名
- 河合 栄次郎
- 学歴〔年〕
- 東京帝大法科大学政治学科〔大正4年〕卒
- 経歴
- 農商務省勤務後、大正9年東京帝大経済学部助教授となり、11〜14年欧州へ留学。15年教授。人格主義と議会主義に基づく社会民主主義を唱え、マルクス主義にもファシズム主義にも反対した。昭和11年2.26事件で軍部を批判、13年10月に「ファシズム批判」など四著が発禁、14年1月には東大経済学部の内紛がらみのいわゆる“平賀粛学”で休職処分。翌2月出版法違反で起訴され、15年10月第一審で無罪となったが、翌16年の控訴院(第二審)で罰金刑を受け、18年6月大審院で控訴棄却となり、有罪が確定した。人間の尊厳、人間自由の理想を死を賭して守りぬこうとした嵐の一生を送る。「労働問題研究」「社会思想史研究」「トーマス・ヒル・グリーンの思想体系」「社会政策原理」「在欧通信」「学生に与ふ」「学生叢書」などの著書のほか、「河合栄治郎全集」(全23巻・別巻1 社会思想社)もある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報