水調子(読み)ミズヂョウシ

デジタル大辞泉 「水調子」の意味・読み・例文・類語

みず‐ぢょうし〔みづデウシ〕【水調子】

《「みずちょうし」とも》三味線の弦をゆるく張り、調子を特に低くしたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「水調子」の意味・読み・例文・類語

みず‐ちょうし みづテウシ【水調子】

[1] 〘名〙 (「みずぢょうし」とも) 三味線の調子で弦をゆるく張り、調子を低くしたもの。浪花節の三味線が好例。転じて、低い調子、声、音。
洒落本・禁現大福帳(1755)三「水(ミヅ)てうしの障りかすりてこそばい事に気をもらうより」
[2] 河東節傾城(けいせい)水調子」の略称新吉原の遊女玉菊の三回忌の追善曲として、竹婦人の作詞、十寸見(ますみ)河丈と夕丈の作曲で、享保一三年(一七二八)に初演

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水調子」の意味・わかりやすい解説

水調子
みずちょうし

日本音楽の用語および曲名。 (1) 音楽用語 三味線の調弦の特に低いものをいう。雅楽の水調 (すいちょう) の箏の調弦が,黄鐘 (おうしき) 調のそれより低いことからとする説,河東節 (かとうぶし) の同名の曲の低い調子から出たとする説などがある。特に浪曲伴奏の三味線の低い調子などについていう。 (2) 河東節の曲名 本名題「傾情 (けいせい) 水調子」。享保 13 (1728) 年吉原中万字屋遊女玉菊の三回忌の追善会を催したときに語られたものという。竹婦人作詞,十寸見河丈 (2世河東) ,夕丈節付け,三弦山彦源四郎,箏上村文次郎作曲。

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