水祭(読み)みずまつり

精選版 日本国語大辞典 「水祭」の意味・読み・例文・類語

みず‐まつり みづ‥【水祭】

〘名〙
九州地方で新しい着物の着初めにする呪術的風習。汲みたての水を入れた新しい茶碗に、ひとつまみの塩を入れて床の間に供え、その水を一口飲んで「衣裳は弱かれ、身は強かれ」という呪文を唱えながら床の間のひさしに水をかける。
お盆墓参りで水を供えること。
※思ひ出(1911)〈北原白秋〉わが生ひたち「七歳の日の水祭(ミヅマツリ)に初めてその児を見てからといふものは」
③ 忌明けの法要

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世界大百科事典(旧版)内の水祭の言及

【中陰】より

…この期間,7日ごとに墓参りをし塔婆を建てる風がある。さらには埋葬した死骸の変わりない様子を知るために,毎朝未明に新墓へ息子が参ったり(京都府舞鶴),水祭といって49日まで,毎日夕方墓地へ米と水を持って行ったりする(対馬阿連)。とくに対馬ではヤマアガリといい,野辺に喪屋を作ってここに住み,中陰中に村へ帰ることが禁じられた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」