水激(読み)みなそそく

精選版 日本国語大辞典 「水激」の意味・読み・例文・類語

み‐な‐そそく【水激】

[1] 〘連語〙 水が激しい勢いで流れ込む。
万葉(8C後)一・三六「この川の 絶ゆることなく この山の いや高知らす 水激(みなそそく) 滝の宮処は 見れど飽かぬかも」
[2]
① 水がほとばしる意で、勢いよく泳ぐ魚の「鮪(しび)」の意から、同音の人名「鮪」にかかる。
書紀(720)武烈即位前・歌謡「瀰儺曾曾矩(ミナソソク)(しび)若子(わくご)を 漁(あさ)り出な猪(ゐ)の子」
② 「臣(おみ)」にかかる。かかり方未詳。
古事記(712)下・歌謡「美那曾曾久(ミナソソク)(おみ)の嬢子(をとめ) 秀罇(ほだり)取らすも 秀罇取り 堅く取らせ 下堅く 彌堅く取らせ 秀罇取らす子」
[補注]((二)②について) 水がほとばしり流れる「大水(おほみ)」あるいは水がそそぎ込む「大海(おほみ・おふみ)」の意から類音の「臣」にかけたとする説がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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