氏家宿(読み)うじいえしゆく

日本歴史地名大系 「氏家宿」の解説

氏家宿
うじいえしゆく

[現在地名]氏家町氏家

奥州街道宿駅で宇都宮から第二宿、江戸より三一里余に位置する。原街道・会津中街道・会津西街道・日光北街道などが扇のかなめのごとく集中する交通の要所であり、南の白沢しらさわ宿(現河内郡河内町)へ一里半、北の喜連川きつれがわ宿へ二里、大宮おおみや(現塩谷町)へ二里二七町、風見かざみ(現同上)へ二里二六町余、喜連川宿との間に一里塚が一ヵ所置かれた。宿の成立について、伝承では享徳元年(一四五二)に宇都宮氏の家臣平石佐渡・石井監物ら七人が氏家村へ移住して屋敷を構え、長百姓七人衆とよばれ、さらに慶長年中(一五九六―一六一五)に三五人が屋敷割を行ったという(氏家記録伝)。享徳元年は信じがたいが、慶長七年に宇都宮町の地子免除と伝馬・夫役の負担が行われ、同一四年には白沢宿の町割が行われたように、慶長七年頃には町割が行われたものとみられる。

宿の長さは南北八町四五間、宿高二千三八一石で、地子免除はなかった。掘割は二本あり、鬼怒川水系のくさ川・五行ごぎよう川を利用した。宿内には横宿よこじゆくしん町・よこ町・かみ町・こく町・なか町・ほん町・伝馬でんま町・ふる町などがあった。宝永六年(一七〇九)宿絵図(滝沢五良蔵)には、街道が五行川を渡り番所の角を左折した両側町並が描かれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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