母屋・主屋(読み)おもや

精選版 日本国語大辞典 「母屋・主屋」の意味・読み・例文・類語

おも‐や【母屋・主屋】

〘名〙
寝殿造りなどの建物の中央の部分。もや。廊、庇(ひさし)などに対していう。
※竹取(9C末‐10C初)「おもやの内には、女ども番におりて守らす」
② 屋敷の中で、世帯主の住む主要な家屋。本宅。ほんや。納屋(なや)、離れなどに対していう。〔日葡辞書(1603‐04)〕
読本・南総里見八犬伝(1814‐42)四「出居(いでゐ)と前房(オモヤ)の間(あはひ)なる、障子のほとりに来つるとき」
一族、または一つの店の中で主となる家や店。本家(ほんけ)。本店。おもだな。分家、支店に対していう。
※多聞院日記‐慶長四年(1599)九月二八日「帰にをもやへ尋候て〈略〉酒呑候」
④ (囚人隠居刑務所別荘というのに対して) 警察署、警視庁などをいう、盗人仲間の隠語。〔隠語輯覧(1915)〕
※自由学校(1950)〈獅子文六〉檻の内外「もう、オモヤ(警視庁)じゃ会えねえかも知れねえな」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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