殿隠(読み)とのごもる

精選版 日本国語大辞典 「殿隠」の意味・読み・例文・類語

との‐ごも・る【殿隠】

〘自ラ四〙
① (御殿にこもりかくれる意から) おかくれになる。崩御する。崩ずる。
万葉(8C後)一三・三三二六「つれもなき 城の上の宮に 大殿を つかへまつりて 殿隠(とのごもり) 隠りいませば」
② (寝殿にこもる意から) 「寝る」の尊敬語。おやすみになる。御寝(ぎょしん)なる。おおとのごもる。
※宇津保(970‐999頃)嵯峨院「こなたにねなんとすれば、母、『などかあなたにはまうで給はぬ、ここにはとのごもる』」

との‐ごもり【殿隠】

〘名〙 貴人寝室に入ること、就寝することを敬っていう語。おやすみになること。御寝(ぎょしん)なること。
※宇津保(970‐999頃)忠こそ「北方御帳うちにおまし所して、御とのごもりなどするに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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