死る孔明生ける仲達を走らしむ(読み)しせるこうめいいけるちゅうたつをはしらしむ

精選版 日本国語大辞典 の解説

しせ【死】 る 孔明(こうめい)(い)ける仲達(ちゅうたつ)を走(はし)らしむ

中国の三国時代、蜀の諸葛孔明が五丈原(ごじょうげん)で魏の将司馬仲達の軍と対陣、決戦しようとするとき、陣中で病死した。孔明部下の将楊儀は蜀軍をまとめて退却を開始した。仲達は孔明の死を聞いて追撃したが、蜀軍が旗をかえし、鼓を鳴らして反撃する勢を示すと、仲達は孔明がまだ生きていて計略にかけようとしているのではないかと恐れ、追撃を中止して退いたという故事
太平記(14C後)二〇「今に世俗の諺に、死せる孔明(コウメイ)(イケ)る仲達(ちゅうタツ)を走しむと云事は、是は欺(あざけ)る詞也」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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