武市半平太旧宅および墓(読み)たけちはんぺいたきゅうたくおよびはか

国指定史跡ガイド 「武市半平太旧宅および墓」の解説

たけちはんぺいたきゅうたくおよびはか【武市半平太旧宅および墓】


高知県高知市仁井田にある邸宅と墓。現在は個人所有の民家で、墓地は旧宅の南の裏手にあたる丘陵中腹にあり、瑞山(ずいざん)神社に隣接する。武市半平太(瑞山)は土佐勤王党盟主であり、旧宅と墓ともに遺存もよく貴重なことから、1936年(昭和11)に国の史跡に指定された。旧宅は曲がり屋造りで、もとは藁葺きで6室、客間は8畳で、邸内の庭などは下級武士(郷士)の邸宅であることを示している。半平太はここで20歳から22歳ごろまで暮らし、その後この家を売却して高知の城下に道場を設けたといわれている。公武合体派による政変の結果、半平太は投獄され、切腹を命じられて37歳の命を絶った。墓は半平太夫妻と一族の墓地のなかにあり、旧宅とともに、幕末に活躍した半平太を知ることができる貴重な遺跡となっている。土佐電鉄はりまや橋駅から土佐電鉄バス「瑞山神社前」下車、徒歩約3分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報