橋場(読み)はしば

精選版 日本国語大辞典 「橋場」の意味・読み・例文・類語

はしば【橋場】

(古く、隅田川のこの地に浮橋がかけられていたところから) 東京都台東区北東端の地名。隅田川の西岸にある。上代武蔵国の駅津で、中世石浜と呼ばれた。江戸時代には橋場の渡しがあり、東橋場(荒川区南千住)には火葬場があった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「橋場」の意味・わかりやすい解説

橋場
はしば

東京都台東区(たいとうく)北東部にある地名。古くは武蔵(むさし)―下総(しもうさ)間の渡し場で、『義経記(ぎけいき)』『源平盛衰記』に浮き橋を架けたと記載があり、それが地名のおこりという。浅草橋場で寛永(かんえい)通宝を鋳たとか、新銭座(ぜにざ)が浅草に命ぜられたともあり、橋場明神の北東が銭座跡といわれる。明治のころは別荘地帯で、三条実美(さねとみ)の別荘、対鴎(たいおう)荘もあった。現在は木材染色など水に関連の中小工場が並ぶ東京北部工業地域の一角謡曲『隅田川(すみだがわ)』で知られる妙亀(みょうき)塚が妙亀塚公園にあり、北東端に白鬚(しらひげ)橋がある。

[菊池万雄]


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