樺島町(読み)かばしままち

日本歴史地名大系 「樺島町」の解説

樺島町
かばしままち

[現在地名]長崎市樺島町万才町まんざいまち

平戸ひらど町の北西中島なかしま川河口の右岸にある長崎うち町の一ヵ町で、船手に属した。椛島町とも記され、三尺さんしやく町とも称した。町並はほぼ東西に延びる。天正年間(一五七三―九二)彼杵そのき郡樺島(現野母崎町)からの移住者により開かれたとされ、豊臣秀吉直轄領となり、地子銀が免除された。「長崎昔ハ深江浦」と称し、「江戸町、椛島町迄ハ漁者塩焼所々に住居し、下町より築町迄ハ海、其外今の外町之分ハ田畑少し有り」であったという(山口家本「長崎根元記」)。元和八年(一六二二)のドミニコ会宛の長崎ロザリオ組中連判書付に「かは島町」のキリシタン天川うるすら」が署名している。寛永長崎港図では内町として「かばしま町通り」と記される。寛永一九年(一六四二)平戸町人別生所糺に「椛島町」とみえ、平戸町の門番喜兵衛の女房父母は文禄元年(一五九二)樺島から来住してキリシタンになっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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