樫原流(読み)カシハラリュウ

デジタル大辞泉 「樫原流」の意味・読み・例文・類語

かしはら‐りゅう〔‐リウ〕【×樫原流】

槍術の一流派。江戸初期、紀州藩士の樫原五郎左衛門俊重が始めた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「樫原流」の意味・わかりやすい解説

樫原流
かしわらりゅう

近世槍術(そうじゅつ)の一流派。鍵槍(かぎやり)を主とする。流祖は樫原五郎左衛門俊重(とししげ)(?―1655)。俗に柏原流と書く。俊重は初め穴沢主殿助盛秀(あなざわとのものすけもりひで)(雪斎(せっさい))について直槍(すぐやり)を学び、のち鍵槍の術に熟達した。回国中阿波(あわ)においてやむなく真槍(しんそう)をもって勝負し、高野山(こうやさん)に籠居(ろうきょ)中、紀州和歌山の徳川頼宣(よりのぶ)に招かれ、200石を領して大番衆(おおばんしゅう)に任じた。この門から小谷角左衛門、同作左衛門、木川市左衛門らの名手が出て流名を高め、幕末には笠間(かさま)、高槻(たかつき)、姫路、松山松江などの諸藩で行われた。

[渡邉一郎]

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