横須賀製鉄所(読み)よこすかせいてつしょ

山川 日本史小辞典 改訂新版 「横須賀製鉄所」の解説

横須賀製鉄所
よこすかせいてつしょ

フランスの技術援助で建設された江戸幕府製鉄造船所。1864年(元治元)幕府小栗忠順(ただまさ)とフランス公使ロッシュとで立案された。4年間に製鉄所(機械工場)・修船場・造船場武器庫など,フランスのツーロン軍港を3分の2程度に縮小した設備を,240万ドルの経費で整備する構想。フランス海軍のベルニ首長となって建設にあたったが,設備の大半が未完成のまま明治政府に引き継がれ,海軍工廠の基礎になった。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の横須賀製鉄所の言及

【洋学】より

…これに基づく軍備の充実は封建的軍事組織の解体を不可避としたが,新設の海軍はともかく,陸軍にかんするかぎり,旧軍制との妥協のうえに火砲を主体とする編成替えを行ったにすぎない。しかし,鉄砲鋳造のために反射炉や溶鉱炉などの施設が設けられ,火薬の製造と結びついて理化学方面の研究が開かれ,また長崎における海軍伝習に伴い組織的な科学技術教育が行われ,あるいは総合工場というべき横須賀製鉄所が設けられた結果,ここに日本における近代科学技術の素地がつくられた。またこれとならんで殖産興業技術の導入がはじまるのもこの時期である。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」