横河院(読み)よこがわいん

日本歴史地名大系 「横河院」の解説

横河院
よこがわいん

古代の桑原くわはら郡域に成立した中世の院で、現在の横川町域に比定される。横川とも書いた。天養二年(一一四五)三月一二日の前大隅掾建部頼清処分状(禰寝文書)桑西くわのさい郷内として「横川院」とあり、在庁官人禰寝氏一族の建部頼清から同清貞に譲られている。大隅国建久図田帳では「横河院」とみえ、田積三九町五段二丈、島津庄の寄郡の一つで、島津忠久惣地頭であった。建治二年(一二七六)八月日の石築地役配符写(調所氏家譜)によると田積は変わらず、当院の石築地役は三丈九尺五寸四分。建武二年(一三三五)一〇月七日、建武政権は当時中宮職領となっていた当院を含む島津庄寄郡大隅方九ヵ所の預所職に守護島津貞久を補任するよう大宰府に命じている(「太政官符」島津家文書)。翌三年二月、当院は太宰府天満宮安楽寺に寄進されたが(年月日未詳「島津庄大隅方寄郡田数注文」禰寝文書)、この寄進は室町将軍家(足利尊氏)によるものであった(観応三年二月日「安楽寺領注進状案」太宰府天満宮文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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