樒浦(読み)しきみうら

日本歴史地名大系 「樒浦」の解説

樒浦
しきみうら

中世よりみえる彼杵そのき庄内の浦。元弘三年(一三三三)七月日の樒禅性軍忠状案(姉川正義氏所蔵文書)彼杵福田ふくだ郷樒平次入道禅性とみえ、同年五月二五日の鎮西探題北条英時を攻めた筑前博多合戦での軍忠に対して恩賞を求めている。当地を拠点とする者であろう。暦応二年(一三三九)「彼杵郡内福田樒浦検断」職が翌年五月まで福田三郎入道兼信・同七郎に与えられた(同年五月八日「某書下写」福田文書)。この福田氏の一族と考えられる樒氏は同五年に放火狼藉の与力人として深堀時広から訴えられ(同年四月日「深堀時広申状」深堀文書)、同年四月日の狼藉人交名注進状(同文書)に樒平次入道・子息七郎・同又三郎・同平五らが書上げられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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