槙山郷(読み)まきやまごう

日本歴史地名大系 「槙山郷」の解説

槙山郷
まきやまごう

香美郡の東北端、物部川上流の槙山川流域を占め、「山郷」とも記す。「まきのやま」ともいい、中世には大忍おおさと庄の北端部として「大忍庄槙山」と記される場合が多い。郷内は庄谷相しようだにあい中谷川なかたにがわ頓定とんじよう大栃おおどち山崎やまさき仙頭せんどう押谷おすだに小浜こはま根木屋ねきや岡内おかのうち別役べつちやく一宇いちう別府べふの一三ヵ村あったが、慶長末年庄谷相村からつぶせ村が分離、以後一四ヵ村となった。しかし郷帳類は一三ヵ村とする場合が多い。

「土佐州郡志」は「槙之山谷属大忍庄、山多真木故曰槙山、在高知東七里、自是東抵阿州界九里十八町、東限太郎次郎聖峠、西限韮生之根須白石蕨野長瀬等村、南限安喜郡大忍西川、北限韮生之柳瀬安丸五王堂南池久保村、東西九里十町余南北一里半、小村数十、戸凡六百五十余、其土或赤或黒多砂」と記す。「南路志」も「槙山といふは此山にはことに槙夥敷生立し山なる故に名おひしと見たり、其故は此山中に二畳敷・三畳敷斗なる朽たる槙の切株所々にあり、又里人の古き家には槙の柱など用ひたるもの今にありと岡村弥十郎盛貴云へり」という。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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