楔・轄(読み)くさび

精選版 日本国語大辞典 「楔・轄」の意味・読み・例文・類語

くさび【楔・轄】

〘名〙
① 堅い木、または石や鉄でV字形に作り、物を割ったり、広げたりするために、または枘(ほぞ)穴に挿しこんだ部材が抜けないようにするために打ち込むもの。責木(せめぎ)
新撰字鏡(898‐901頃)「輗 奈加江乃波志乃久左比」
随筆独寝(1724頃)下「此の一字がはづれては、なんの役にたたぬくさびのはづれたる車のごとし」
② 物と物とをつなぎ合わせる役目のもの。絆(きずな)となるもの。
狭衣物語(1069‐77頃か)三「夜の程にいとど閉ぢ重ねてける氷のくさびは、足もいみじう堪へがたうて歩みもやられ給はず」

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