森須川村(読み)もりすがわむら

日本歴史地名大系 「森須川村」の解説

森須川村
もりすがわむら

[現在地名]三雲村小野江おのえ

雲出くもず川の下流右岸の低地に位置し、村内を伊勢参宮街道が通る。北対岸は島貫しまぬき(現津市)、西は甚目はだめ村、南は肥留ひる村、東は星合ほしあい村。森村(現東小野江)須川(現西小野江)と分けてよばれることもあり、森村は須川村の枝郷にあたる。須川村は「五鈴遺響」に須河とみえ、「旧名巣川或洲川トモ記セリ雲津川ノ転略ナルヘシ世俗南雲津ト称ス」とある。現在小字名に大垣内おおがいと荘場しようばの地名があり、中世の荘園開発がうかがわれる。康永元年(一三四二)の坂士仏の「伊勢太神宮参詣記」に「水上より時雨くだる。雲出川のはやき波をしのぎ。小野のふるえわたりなど(なむど)申名所を過行にも。あはれみやこの人とともに見てゆかましかば。しらぬみちもものうからじ(ざらまじ)とおもひ出て。松風いとさむき三渡の浜にもつきぬ」とみえ、南北朝時代には小野古江おののふるえ渡があり、参宮路にあたっていた。

文禄検地帳を転記したものと思われる伊勢国中御検地高帳に森須川とみえ、石高九八三・七四石とある。慶長一三年(一六〇八)津藩領となり、元和五年(一六一九)には須川村が和歌山藩白子領となり、小船江組に属した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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