梁田御厨(読み)やなだのみくりや

日本歴史地名大系 「梁田御厨」の解説

梁田御厨
やなだのみくりや

旧梁田郡全域を占め、伊勢神宮の末社神明社の分布から現在の渡良瀬川矢場やば川に囲まれた現福富ふくとみ町付近を中心とした地域と推定される。簗田御厨とも記す。建久三年(一一九二)八月日の伊勢大神宮所領注文(神宮雑書)によると、康治二年(一一四三)に伊勢神宮の二宮(内宮・外宮)領として正式に立券されて御厨となり、天養元年(一一四四)の院宣と永万元年(一一六五)の宣旨を下され、その法的地位を確立したとある。立券直後から神宮内部では、口入神主職をめぐって荒木田元定・同範明と利光神主とその孫宗光神主の双方が、康治二年頃から永暦二年(一一六一)頃まで約二〇年にわたって抗争を続け、現地では源姓足利義国と足利郡司の藤姓足利家綱とが知行権(給主職)をめぐって対立していた(永暦二年五月一日「官宣旨写」久志本常辰反故集記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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