桑西郷(読み)くわのさいごう

日本歴史地名大系 「桑西郷」の解説

桑西郷
くわのさいごう

現隼人町南部、溝辺みぞべ町、国分市西方の一部(野口・広瀬)などに比定される。桑東くわのとう郷と同様に桑の字を省略して、単に西郷とよばれることがあった(承久三年五月一一日「宇佐弥勒寺寺家公文所下文写」鹿児島神宮文書など)桑原くわはら郡から桑東郷などとともに分出したと思われるが、「和名抄」にみえる桑原郡桑善くわよし郷との関係は不明。治暦五年(一〇六九)一月二九日の藤原頼光所領配分帳案(禰寝文書)弟妹に給する地として「桑西郷所領田畠」とみえる。天養二年(一一四五)三月一二日の前大隅掾建部頼清処分状(同文書)によれば、桑西郷内の横川よこがわ院と皆尾みなお(現溝辺町)などが前掾建部清貞に宛行われており、この時期横川院が桑西郷の中に含まれていた。

大隅国建久図田帳によれば、桑西郷は正八幡宮(現鹿児島神宮)の所在地であり、同宮領一四三町六段大と国衙領一二町五段半からなっていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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