杵屋正次郎(3世)(読み)きねやしょうじろう[さんせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「杵屋正次郎(3世)」の意味・わかりやすい解説

杵屋正次郎(3世)
きねやしょうじろう[さんせい]

[生]文政10(1827)
[没]1895.10.31.
長唄三味線方の家元。2世杵屋正次郎の門弟正三郎の実子。安政2 (1855) 年に3世を襲名近世名人といわれ,特に芝居長唄の作曲で著名。『連獅子』『元禄風花見踊』『土蜘 (つちぐも) 』『茨木』『船弁慶』『鏡獅子』などを作曲するとともに旧来の曲に手を加えて楽曲としておもしろさを発揮させようとした。すなわち『娘道成寺』の「チンチリレンの合方」,『勧進帳』の「延年」や「滝流し」,『鷺娘』の「羽バタキ」などがそれである。そのほか下座音楽にも数多くの名旋律を残した。

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