東和(岩手県)(読み)とうわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東和(岩手県)」の意味・わかりやすい解説

東和(岩手県)
とうわ

岩手県中央部、和賀郡(わがぐん)にあった旧町名(東和町(まち))。現在は花巻(はなまき)市の東南部を占める地域。1955年(昭和30)土沢(つちざわ)町と中内(なかない)、谷内(たにない)、小山田(おやまだ)の3村が合併して成立。2006年(平成18)花巻市に合併。旧町域は猿ヶ石川(さるがいしがわ)流域の町で、沿岸をJR釜石(かまいし)線、国道283号が走る。中心の土沢は、1612年(慶長17)盛岡藩が仙台藩との藩境防備として土沢城を築いた所。また三陸海岸と内陸部を結ぶ釜石街道宿駅として栄えた。南東部の田瀬ダムによる開田が進み、また畜産も盛ん。ホームスパンや和紙を特産する。成島毘沙門堂(なるしまびしゃもんどう)の毘沙門天、吉祥天は平安初期の作とされ、国指定重要文化財。カズグリ自生地は国の天然記念物。

[川本忠平]

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