本川根町(読み)ほんかわねちよう

日本歴史地名大系 「本川根町」の解説

本川根町
ほんかわねちよう

面積:三七五・三五平方キロ(境界未定)

榛原郡の最北部に位置し、南流する大井川の中流部両岸にまたがる。北東は静岡市、南は中川根なかかわね町・川根町、周智しゆうち春野はるの町、西は磐田いわた水窪みさくぼ町、北は長野県下伊那しもいな南信濃みなみしなの村に接している。地形は九七パーセントを山林に覆われ、平地は少ない。標高一〇〇〇―二〇〇〇メートル級の山々が連なり、北から南アルプス国立公園最南端のひかり(二五九一・一メートル)大無間おおむげん(二三二九・三メートル)朝日あさひ(一八二六・六メートル)前黒法師まえくろぼうし(一九四三・二メートル)、黒法師岳(二〇六七・四メートル)板取いたどり(一五一二・九メートル)天狗石てんぐいし(一三六六・二メートル)たか(一〇九四・九メートル)などが覇を競う。「静岡県文化財地図」に登録されている遺跡は二七ヵ所である。田代たしろのヌタブラ遺跡からは県内最古の約三万年から四万年前の旧石器時代の石器、石片が発見され、確認調査が行われた。縄文時代の遺跡としては奥泉おくいずみ下開土したのかいと遺跡、千頭せんず山王さんのう遺跡、藤川ふじかわ大島おおしま遺跡があげられ、大島遺跡では、石鏃が大量に表面採集され、縄文晩期の条痕文土器を中心とした土器が出土している。古代は大井川左岸は「和名抄」にみえる駿河国志太しだ大野おおの郷・刑部おさかべ郷に含まれたとみられ、右岸は遠江国榛原郡に含まれたと思われる(静岡県史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報