末末(読み)スエズエ

デジタル大辞泉 「末末」の意味・読み・例文・類語

すえ‐ずえ〔すゑずゑ〕【末末】

時間的に先のほう。行く末。さきざき。将来。副詞的にも用いる。「末末楽しみな少年
子孫後裔こうえい。「末末に語り伝える」
空間的に先のほう。先端。「葉の末末が色づく」
一族の中で年下の人。末輩
「弟の君達きんだちも、まだ―の若きは」〈柏木
身分が低い人。しもじも。
「若く―なるは、宮仕へに立ち居」〈徒然・一三七〉
[類語]未来今後将来行く末前途向後自今来たる近未来目先行く先行く手行く行く行方先行き先先生い先あとのちあとあとのちのち後年他年この後これから向こう

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精選版 日本国語大辞典 「末末」の意味・読み・例文・類語

すえ‐ずえ すゑずゑ【末末】

〘名〙
① 位置が末の方の部分。端。先端の方。
※青表紙一本源氏(1001‐14頃)蜻蛉「心もとなき花のすゑすゑたをりてもてあそびけりと見ゆ」
② 時間的に後であること。これから先。将来。行く末。のちのち。
※源氏(1001‐14頃)末摘花「かかる人々のすゑすゑいかなりけむ」
③ 兄弟、一族、一党などのうちで年下の者、末輩の者、末席の者。
※源氏(1001‐14頃)柏木「弟のきんだちも、又すゑすゑの若きは、親とのみ頼み聞え給へるに」
④ 子孫。後裔(こうえい)末裔(まつえい)
※枕(10C終)九九「歌よむといはれ侍りしすゑずゑは」
地位や身分の低いもの。卑しい人。しもじも。下人。
大鏡(12C前)二「すゑすゑのふねにいたるまでたひらかにのぼり給にき」

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