木村重友(読み)きむらしげとも

日本大百科全書(ニッポニカ) 「木村重友」の意味・わかりやすい解説

木村重友
きむらしげとも
(1882―1939)

浪曲師。本名岩田甫。神奈川県生まれ。29歳で浪花亭重勝(なにわていしげかつ)(木村重勝。1867―1945)に入門し、『河内山宗俊(こうちやまそうしゅん)』などでたちまち売れっ子になった。大正末期、2代目浪花亭駒吉(こまきち)と興行先でトラブルがあり、師や兄弟子の重松とともに木村姓を名のることになるが、『慶安(けいあん)太平記』の重松父子、『天保六花撰(てんぽうろっかせん)』の木村友衛(ともえ)(1900―1977)・若衛(わかえ)(1913―2005)など花形浪曲師が輩出して、本家の浪花亭派を圧倒し、重友を中心とした木村派が大劇場時代の関東節の主流の一つに数えられるようになった。

[秩父久方]

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