木工路子村（読み）むくろうじむら

日本歴史地名大系

木工路子村
むくろうじむら

• 山口県：豊浦郡
• 豊田町
• 木工路子村

[現在地名]豊田町大字杢路子（むくろうじ）

現豊田町の西端、狗留孫（くるそん）山系の東に位置する村で、集落は粟野（あわの）川の支流杢路子川流域に点在する。北は殿居（とのい）村と田耕（たすき）村（現豊北町）、東は浮石（うきいし）・八道（やじ）・鷹子（たかのこ）の各村、南は貴飯（きば）村（現菊川町）、西は川棚（かわたな）・宇賀（うか）（現豊浦町）の両村に囲まれる大村。長府藩領で豊浦郡田耕筋に属した。

慶長五年（一六〇〇）の検地帳に「木工路子」とみえる。村名の由来は「往古泉式部執行之時分、当村之内泉河内と申所ニ小式部を捨被置、其印としてむくろしの木杖を此所ニ指をかれ、其杖枝葉を生し申したるよし」（地下上申）という。

慶長一五年の検地帳では総高一千一三二石余とあり、うち田方が八九町余で一千五九石余、畠方が六町余で二三石余、百姓屋敷一三七、小物成一〇石余とあるが、この当時の村域は不詳で、付近の殿居・佐野（さの）・荒木（あらき）などの村名は記載がないから、それらをも含んだ石高である可能性もある。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」