朝食・朝餉(読み)あさげ

精選版 日本国語大辞典 「朝食・朝餉」の意味・読み・例文・類語

あさ‐げ【朝食・朝餉】

〘名〙 (古くは「あさけ」。「け」は食事の意) 朝とる食事。ちょうしょく。あさめし。⇔ひるげゆうげ
曾丹集(11C初か)「をだまきはあさけの真人わがごとや心の中にものは思ふらし」
日葡辞書(1603‐04)「Asaqe(アサケ)。すなわち、アサメシ〈訳〉朝の食事、または、食物。卑語」
即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉隧道ちご「朝餐(アサゲ)を食べ」
[語誌]「色葉字類抄」に「食 ケ 俗云朝食夕食」とあり、「け」は食物・食事の意で、「日葡辞書」の示す通り、古くは清音であった。これに、「卑語」と注記され、また、和歌等で用いられる際も、「しづ(身分の低い者)」についていうところから、俗語と意識されていたようである。明治以後「あさげ」となり、雅語的に使われる。

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