曽我蕭白(読み)ソガショウハク

デジタル大辞泉 「曽我蕭白」の意味・読み・例文・類語

そが‐しょうはく〔‐セウハク〕【曽我蕭白】

[1730~1781]江戸中期の画家京都の人。本姓三浦。名は暉雄てるお曽我蛇足直庵画風を慕い、蛇足軒・蛇足十世と自称。荒々しい筆致で特異な人物画を描いた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「曽我蕭白」の意味・わかりやすい解説

曽我蕭白
そがしょうはく
(1730―1781)

江戸中期の画家。丹波(たんば)屋あるいは丹後(たんご)屋を屋号とする京都の商家の出身と考えられる。本姓は三浦、名は暉雄(てるお)。蕭白のほか、蛇足軒(じゃそくけん)、鬼神斎などと号す。初め狩野(かのう)派の高田敬輔(けいほ)(1672―1755)に師事し、のちに伊勢(いせ)の各地を遍歴し、さらに播磨(はりま)(兵庫県)の高砂(たかさご)地方にも滞在し制作した。その奇行に関する逸話も多い。室町時代の漢画系画派である曽我派に私淑して、自ら蛇足十世孫と称した。『林和靖(りんわせい)図』や『群仙図』などの作品にみられるように、その画面は力強い筆致と鮮烈な彩色があふれるばかりに共鳴し、独特の超現実的世界が構成されている。18世紀後半の京都画壇において、自らの個性を積極的に表出した画家として、伊藤若冲(じゃくちゅう)や長沢蘆雪(ろせつ)らとともに、近年とくに注目されている。

[玉蟲玲子]

『辻惟雄他著『水墨美術大系 14 蕭白他』(1973・講談社)』

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