更・深・老(読み)ふける

精選版 日本国語大辞典 「更・深・老」の意味・読み・例文・類語

ふ・ける【更・深・老】

〘自カ下一〙 ふ・く 〘自カ下二〙
[一] 時間が経過し、事態が深まる。
① (老) 人が年を経て、老齢となる。老いる。また、容姿などが老人めいてくる。
拾遺(1005‐07頃か)雑上・四三六「有明の月の光を待つ程にわが世のいたくふけにける哉〈藤原仲文〉」
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)八「あなたは、いこふけてお出じゃわいな」
② その季節になってから、かなり時間が経過する。季節が深まる。爛熟様相を帯びる。
※白氏文集天永四年点(1113)四「隋堤の柳、歳久しく秋深(フケ)(〈別訓〉ふか)、尽くに衰朽したり」
③ 夜が深くなる。深夜に及ぶ。
万葉(8C後)一〇・二〇五四「風吹きて川波立ちぬ引船に渡りも来ませ夜の降(ふけ)ぬ間に」
[二] 鳥、特に鶉(うずら)が鳴く。
※俳諧・鷹筑波(1638)四「秋の夜もくゎいとふけたる鶉哉〈俊安〉」
[補注](1)形容詞「ふかし(深)」と同根。
(2)(二)は、方言の使われ方によれば、動物が十分成長して交尾期を迎えるというのが原義で、発情して鳴く意に転じたものか。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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