暗炭(読み)あんたん(英語表記)dull coal

日本大百科全書(ニッポニカ) 「暗炭」の意味・わかりやすい解説

暗炭
あんたん
dull coal

肉眼石炭を観察すると、輝きの強い部分と煤(すす)のような感じの輝きのない部分が混在している。後者輝度の低い部分を暗炭という。輝度の高い部分である輝炭に比べて、暗炭は質的に粗雑で不均一な構造を呈し、光の反射が悪いため輝きがない。石炭組織成分として、鉱物質、ミクリニット、セミフジニット、スクレロチニットなどイナーチニット類(熱的、化学的に不活性な成分)を多く含んでいる。

[大内公耳・荒牧寿弘]

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岩石学辞典 「暗炭」の解説

暗炭

古い鉱山用語で,反射性の乏しい石炭.デュレイン(durain)とクラロデュレイン(clarodurain)が主で,ヴィトレイン(vitrain), クラレイン(clarain)およびフゼイン(fusain)が20%以下含まれている[Stopes : 1919, Tomkeieff : 1954].

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改訂新版 世界大百科事典 「暗炭」の意味・わかりやすい解説

暗炭 (あんたん)

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世界大百科事典(旧版)内の暗炭の言及

【石炭】より

…それらは石炭化の進行につれて分解,変成が進み,全体が均一になっていく。石炭化度が最も高い無煙炭になると,肉眼的にはほぼ一様な光沢をもって見えるが,それより石炭化度の低いものは,肉眼でも光沢のある〈輝炭〉の部分と光沢のない〈暗炭〉の部分とが,層をなしているのが見分けられる。これがごく細かく重なり合っている場合,どちらが優勢かによって,〈輝炭質縞状炭〉〈暗炭質縞状炭〉という区別をすることもある。…

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