晏嬰(読み)アンエイ

デジタル大辞泉 「晏嬰」の意味・読み・例文・類語

あん‐えい【晏嬰】

[?~前500]中国春秋時代せい宰相あざなは平仲。霊・荘・景の三公に仕えた。すぐれた見識をもって国家経営にあたった政治家として知られる。言行録晏子春秋」がある。晏子

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精選版 日本国語大辞典 「晏嬰」の意味・読み・例文・類語

あん‐えい【晏嬰】

中国春秋時代の斉の宰相「あんし(晏子)」の本名

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「晏嬰」の意味・わかりやすい解説

晏嬰
あんえい

生没年不詳。中国、春秋時代の斉(せい)の政治家。字(あざな)は平仲(へいちゅう)。尊んで晏子(あんし)と称される。節倹力行をもって鳴り、霊公、荘公、景公の3代に仕えて、君をいさめ国を治めた名宰相。斉の名臣として、約100年前の管仲(かんちゅう)と並び称される。『史記』に二つの逸話が載っている。第一は賢者越石父(えつせきほ)の話。晏子が出遊した際、囚(とら)われの身の石父を贖(あがな)い、ともに帰った。石父は、ことばもなく部屋に入ってしまった晏子の態度をとがめ、知己には礼遇すべき旨を説いた。非を悟った彼は石父を上客としてもてなした。第二は御者の話。晏子の車を意気揚々と走らせている御者の姿を一見したその妻が離縁を申し出た。身長6尺(約140センチメートル)に満たない小男の晏子は宰相でありながらも、沈着でいつも謙虚であるのに対し、身長8尺の夫は御者の身でありながら得意満面というのが、その理由であった。御者は非を悟り自重する。晏子はこれを大夫(たいふ)に推薦したという。『論語』の「公冶長篇(こうやちょうへん)」に、孔子のことばとして、「晏平仲は善(よ)く人と交わる。久しくして人これを敬す」との評がみえる。

[伊東倫厚]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「晏嬰」の意味・わかりやすい解説

晏嬰
あんえい
Yan Ying

[生]?
[没]敬王20(前500)
中国,春秋時代の斉の政治家。諡は平仲,通称は晏子。斉の霊,荘,景公の3代に仕えて節倹力行,政治にあたり,国民の信望が厚く管仲と並ぶ斉の名宰相。記憶力にすぐれた読書家で合理主義的傾向が強かった。『晏子春秋』は彼の著といわれるが実は後世編纂である。

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世界大百科事典(旧版)内の晏嬰の言及

【晏子春秋】より

…中国の春秋時代,斉の名宰相であった晏嬰(あんえい)の言行を集録した書。8編で200章以上の説話がある。…

※「晏嬰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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