昭和三陸地震津波(読み)しょうわさんりくじしんつなみ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「昭和三陸地震津波」の意味・わかりやすい解説

昭和三陸地震津波
しょうわさんりくじしんつなみ

1933年3月3日午前2時30分頃に三陸はるか沖(→三陸海岸)で発生した地震により引き起こされ,岩手県を中心とした三陸沿岸を襲った大規模な津波。地震によるゆれは最大震度 5で,震動による被害は小さかった。ゆれの約 30分~1時間後に津波が北海道から三陸沿岸に来襲した。岩手県では津波の高さが 10m以上にも及び,特に三陸町の綾里湾(→綾里)では 28.7mにも達した。人的被害は岩手県を中心に死者・行方不明者 3064人,負傷者 1092人。家屋の被害は流失 4034棟,倒壊 1817棟,焼失 216棟。岩手県田老村では死者・行方不明者 1211人で,全人口 4982人の 4分の1が犠牲になった。この地震は,日本列島の下に沈み込む太平洋プレートが日本海溝付近で折れ曲がるために起こった正断層型の巨大地震で,海溝の陸側でしばしば起こる低角逆断層型のプレート境界地震ではない。震源北緯 39°08′,東経 145°07′,深さは浅い。地震の規模はマグニチュードM)8.1。地震断層の海溝に沿う長さは 200~300kmと推定されている。

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