春風の（読み）はるかぜの

精選版 日本国語大辞典

はるかぜ‐の【春風の】

枕

① 春風の音の意で、「音」にかかる。

※万葉（８Ｃ後）四・七九〇「春風之(はるかぜの)音にし出なばありさりて今ならずとも君がまにまに」

② 春風が吹く意で、「吹く」と同音の「拭く」や、地名「吹上」にかかる。

※新古今（1205）恋一・一〇二〇「春風のふくにもまさる涙かな我がみなかみも氷とくらし〈藤原伊尹〉」

③ 春風が立つ意で、「立つ」と同音の「たつ」を含む地名「龍田」にかかる。

※続後撰（1251）春上・四八「はる風の立田の岸の柳かげ流れもやらぬなみの下草〈西園寺公経〉」

出典　精選版 日本国語大辞典