春日率河坂上陵(読み)かすがのいざかわのさかのへりよう

日本歴史地名大系 「春日率河坂上陵」の解説

春日率河坂上陵
かすがのいざかわのさかのへりよう

[現在地名]奈良市油阪町

三条通と油阪あぶらさか通の間にある前方後円墳。封土の全長約一〇〇メートル、後円部径約四八メートル、前方部幅四八メートル。開化天皇陵に治定され、最初の前方後円式山陵といわれる。「延喜式」(諸陵寮)に「春日率川坂上陵、春日率川宮御宇開化天皇、在大和国添上郡、兆域東西五段、南北五段、以在京戸十烟、毎年差充令守」とみえ、「日本書紀」は「春日率川坂本陵」に作り、「古事記」開化天皇段は「天皇の御年、陸拾参歳。御陵は伊邪河の坂の上に在り」とする。古墳は一時念仏ねんぶつ寺の寺境に属したが、文久年間(一八六一―六四)の修陵で周濠を復した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報