日本高速道路保有・債務返済機構(読み)にほんこうそくどうろほゆうさいむへんさいきこう

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

日本高速道路保有・債務返済機構
にほんこうそくどうろほゆうさいむへんさいきこう

高速道路の保有ならびに建設などに伴う債務返済するための、国土交通省所管の独立行政法人高速道路機構と略称され、英語名称はJapan Expressway Holding and Debt Repayment Agencyである。2005年(平成17)10月に独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法(平成16年法律第100号)に基づいて設立された。本部所在地は東京都港区西新橋。

 2001年12月、高速道路等の累積債務の対策として「特殊法人等整理合理化計画」を策定日本道路公団首都高速道路公団阪神高速道路公団本州四国連絡橋公団の4公団を廃止することとし、これにかわる新たな組織は、民営化前提とすることが閣議決定された。2004年6月、「道路関係四公団民営化関係4法」が成立首都高速道路公団は首都高速道路株式会社に、阪神高速道路公団は阪神高速道路株式会社に、本州四国連絡橋公団は本州四国連絡高速道路株式会社に改組して民営化し、日本道路公団は東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社の3社に分割された。高速道路機構は、この道路公団の民営化の枠組なかで設立されたものである。

 道路公団の民営化によって、(1)約40兆円以上の有利子債務を確実に返済し、(2)真に必要な道路を、会社の自主性を尊重しつつ、早期に、できるだけ少ない国民負担で建設する、(3)民間ノウハウ発揮により、多様で弾力的な料金設定や多様なサービスを提供することを目ざしている。高速道路機構は高速道路を保有し、首都高速、阪神高速、本州四国連絡高速、東日本高速、中日本高速、西日本高速の各社と協定を締結し、高速道路を貸し付けて賃貸料を得て、そこから日本道路公団など旧公団時代の債務を返済する。債務は機構設立から45年以内に完済することとなっている。そのほか、高速道路の新設改築修繕、災害復旧のために負担した債務の引き受けとその返済も行うこと、政府または地方公共団体からの出資金を財源とした首都高速道路・阪神高速道路の新設・改築に要する費用の一部を無利子で貸し付けること、国からの補助金を財源とした高速道路の災害復旧時に要する費用の一部を無利子で貸し付けること、本州四国連絡橋の鉄道施設を管理し、鉄道事業者に利用させることなどを業務内容としている。2012年3月の時点で資本金は5兆2551億円、職員数は84人。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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