新荒町(読み)しんあらまち

日本歴史地名大系 「新荒町」の解説

新荒町
しんあらまち

[現在地名]八戸市新荒町

八戸城下南西、表町通沿いの西端に位置する町人町。東はあら町、西と北は糠塚ぬかづか村、南は上徒士かみかちし町・上組かみくみ町に接する。中央を南西から北東街路が通り、東端鉤形となる。西端には沢里さわさと惣門が置かれて枡形となる。文久年間(一八六一―六四)八戸御城下略図惣門そうもん丁とあり、町家とされる。東端の荒町境には「火ノ見」がみえる。

新荒町
しんあらまち

[現在地名]松前郡松前町字松城まつしろ

近世から明治三三年(一九〇〇)まで存続した町。近世は松前城下の一町。福山城の北側にあたる。「蝦夷日誌」(一編)に「是寺町のうしろ也。此処天保の初め頃畑地を引て屋敷地となす。藩士十五、六軒住す」とあって、復領後の家臣団の増加により、天保(一八三〇―四四)初年新たに侍屋敷地として町立てされた。同書によると上に行くと白坂通で地蔵じぞう嶽に至り、左は畑で百々亭(呑々亭)という茶屋がある。茶屋は庭に藤・松・草花が植えられ市中家中ともに遊興したが、「其酒肴の高値なること筆紙に尽しがた」く、「惣而此地は、市中の商売と家中へのうり直段と二様有る」との藩士の言を引いて、松浦武四郎は「歎ずべきの甚しき也」と記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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