新海神社(読み)しんがいじんじや

日本歴史地名大系 「新海神社」の解説

新海神社
しんがいじんじや

[現在地名]臼田町大字田口 宮の沢

北に山を負い、老樹鬱蒼として森厳な社叢をなしている。境内二万三〇〇坪、これに続く社有林二七町五段六畝。祭神は佐久地方開拓の祖神とされる興波岐命を主神に、その父神の健御名方命(諏訪明神)と事代主命。

諏方大明神画詞」に「佐久郡ノ新開社ハ行程二日斗リ也」とあり、興波岐命は父神の諏訪明神の命をうけ、佐久地方を開拓した。その開田の初めの土地として「田の口」の地名が残ったと伝えられ、付近には幸の神さいのかみ、宮の沢等いくつかの古墳群が存在し、旧境内の英田地畑古墳からは蕨手刀を出土している。

神社前をあま川に沿って通じている上州道(現県道勘能―臼田線)は、上州藤岡ふじおか方面と結ぶ古道である。古くから諏訪社との関係が深く、嘉吉三年(一四四三)―天和元年(一六八一)の「当社神幸記」に諏訪湖結氷期の御渡りの現象は諏訪明神と新海明神が神幸して湖上に参会するものとして伝承され、その旨幕府に注進されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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