新池村(読み)にいけむら

日本歴史地名大系 「新池村」の解説

新池村
にいけむら

[現在地名]袋井市新池

山名やまな郡に所属。西田にしだ村の南、原野谷はらのや川の中流右岸、西部蟹田かにた川が流れる。中世山名庄のうち新池郷とみえる。観応三年(一三五二)九月二一日の足利尊氏下文写(浅羽本系図)に「山名庄内新池郷」とみえ、三浦宗久の所領であったが、この日新池郷の替地として駿河国北安東きたあんどう(現静岡市)半分が宗久に宛行われている。永享二年(一四三〇)と推定される三月の今川範政書下写(「水月明鑑」所収加々爪文書)によれば、加々爪右京亮に当郷が宛行われているが、この文書は疑わしい。血脈衆(乾坤院蔵)によれば文明一二年(一四八〇)八月一七日、「新池ノ人」道珍らは一雲斎いちうんさい(現豊岡村)の一鳳蔵主に引かれて、尾張国乾坤けんこん(現愛知県東浦町)で行われた逆翁宗順の授戒会に参加し戒弟となっている。この授戒会には遠江各地から僧俗六〇名ほどが参集している。同一八年一〇月二六日の幕府奉行人連署奉書案(斎藤親基日記紙背文書)によれば、幕府御料所である新池上郷・同下郷に対する奥山大膳亮の押妨を伊勢貞陸代官と合力して退けるよう某に命じている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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