新撰美濃志(読み)しんせんみのし

日本歴史地名大系 「新撰美濃志」の解説

新撰美濃志
しんせんみのし

三〇巻 岡田啓著

成立 江戸時代後期

解説 尾張藩士の著者が、天保初年から万延元年にかけて古記録を集め里伝を加えて編纂した地誌。最初に美濃国の概観を述べ、続けて国内二一郡、一千五一五の町村および枝郷単位に立地領主石高のほか、尾張藩領分が詳しいなど精粗があるものの、歴史・神社仏閣・古跡などを記す。巻一に元禄一四年の郷高帳を引用して総石高六四万五千一石余とし、江戸御蔵入一一万七千六〇〇石余・尾張藩領一二万八千八〇〇石・高須藩領一万五千石余など、領主別一覧がある。なお岐阜県庁旧蔵書籍(県立図書館蔵)に、神谷道一著「新撰美濃志郡上郡部補遺」なる稿本があり、その緒言(明治一〇年)のなかに「新撰美濃志」の名がみえる。

活字本 神谷道一発行、一信社出版部刊美濃大史料文庫一(大衆書房復刻)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報