新張牧(読み)みはりのまき

日本歴史地名大系 「新張牧」の解説

新張牧
みはりのまき

小県郡の東部烏帽子えぼし岳・湯ノ丸山麓一帯に広がる古代から鎌倉期にかけての牧場。「延喜式」左右馬寮の「御牧」の条に、信濃国一六牧のなかに「新治牧」とみえる。「吾妻鏡」の文治二年(一一八六)三月の条の年貢未進の荘園書上に左馬寮領として信濃国二八牧をあげ、その中に「新張牧」がある。「本朝世紀」の天慶四年(九四一)一一月の条に、国毎に馬五〇匹を撰進すべき旨に「又択信濃御馬使左馬少属佐々貴晴樹牽進御馬世疋望月廿疋新治十疋」とみえる。平安末期には、左馬寮を本所とする荘園化されたと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報