文部科学事務官（読み）もんぶかがくじむかん

大学事典

文部科学事務官
もんぶかがくじむかん

第2次世界大戦後の国家公務員制度下で，文部省（のち文部科学省）の行政機構の範囲に含まれる諸機関の勤務員に用いられた官職名の一つ。旧各庁職員通則（昭和21年勅令第189号）1条の定めにより，官職を①事務官，②技官，③教官の三つに大別し，それぞれの所属する省庁等の名称をその前に付して用いることとなった。同通則2条において，事務官（日本）は「事務ヲ掌ル」ものとされている。2001年（平成13）の省庁再編以前は，文部事務官（日本）という官職名が用いられた。2004年の国立大学法人化以降，国立大学の職員は国家公務員ではなく法人職員となったため，文部科学事務官の官職名が充てられることはなくなった。なお，文部科学省（文部省）から国立大学に派遣される文部科学事務官（文部事務官）を異動官職と呼んだ。異動官職は，法人化前の国立大学においては，事務局長をはじめとする本部事務局の要職を占めることが通例であった。
著者: 橋場論

出典　平凡社「大学事典」