支・閊・障・痞(読み)つかえ

精選版 日本国語大辞典 「支・閊・障・痞」の意味・読み・例文・類語

つかえ つかへ【支・閊・障・痞】

〘名〙 (動詞「つかえる(支)」の連用形の名詞化)
① 先がふさがったり、じゃまな物があったりして先に進めないこと。
※交隣須知(18C中か)三「飲食 ヲビタタシウタベテ、ショクドウエ ツカエニ ナリマスル」
② 物事を進行させると具合の悪い事が起こるような事情。さしさわり。支障。
※交隣須知(18C中か)四「マコトニ、ツカエガ アッテ、サヨフデ ゴザリマシタ」
※門三味線(1895)〈斎藤緑雨〉九「店に閊(ツカヘ)さへなくば」
③ 悲しみや悩みで胸がふさがること。胸がつまるような、精神的な苦しみ。
※浮世草子・傾城色三味線(1701)大坂「此類のせんしゃう、毎日二三十度も申出して、一座の痞(ツカヘ)をおこしぬ」
読本・椿説弓張月(1807‐11)続「悲き事をいひ出て、痞(ツカヘ)をまさし給ひな」
④ 胸にさしこみの発作が起こる病気。しゃく。
※杉風宛芭蕉書簡‐元祿七年(1694)五月二一日「つかへなども折々音づれ候」
⑤ ささえとなるもの。支柱
※羅葡日辞書(1595)「Adminiculor〈略〉カカユル、スケヲ カウ、カウバリ、または tçucayeuo(ツカエヲ) カウ」
※天理本狂言・腰祈(室町末‐近世初)「うしろからよきかげんに、つかへをかふていよ」
筋肉などのしこり。こり。
※俳諧・随斎諧話(1819)「肌寒く痞のかたを下になし〈千川〉」
⑦ 取引相場で、相場の上がり下がりが一段落して変化しない状態をいう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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