揺動散逸定理(読み)ようどうさんいつていり(英語表記)fluctuation dissipation theorem

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「揺動散逸定理」の意味・わかりやすい解説

揺動散逸定理
ようどうさんいつていり
fluctuation dissipation theorem

高周波磁場に対する磁化率は,磁化ゆらぎを定める相関関数との間に関係式をもつ。一般に外力とそれに対する応答との間の関係に見出される前述のような関係式をまとめた定理を揺動散逸定理という。 1957年に久保亮五はこの一般論を確立した。熱雑音分野で見出された同種の関係は,初めてこの定理を導入した H.ナイキストにちなんで,ナイキストの定理とも呼ばれる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の揺動散逸定理の言及

【ゆらぎ】より

…第1は,電気伝導,熱伝導,粘性などの非平衡系の輸送係数が,平衡系でのゆらぎで記述されるからである。これは揺動散逸定理と呼ばれ,非平衡統計力学におけるもっとも基本的な定理である。また,平衡系に時間によらない外場を加えたときの応答,例えば磁化率は磁化のゆらぎで表され,比熱はエネルギーのゆらぎで表される。…

※「揺動散逸定理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android