掻寄(読み)かきよせる

精選版 日本国語大辞典 「掻寄」の意味・読み・例文・類語

かき‐よ・せる【掻寄】

〘他サ下一〙 かきよ・す 〘他サ下二〙
① 手などを動かして、物を手元に引き寄せる。
延喜式(927)祝詞(九条家本訓)「手肱(たなひぢ)水沫(みなわ)画き垂れ、向股(むかはき)に泥(ひぢ)画寄(カキよせ)て」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二「前足で〈略〉菜っ葉を掻き寄せる」
② 散らばったものを一か所に集める。かき集める。寄せ集める。
源氏(1001‐14頃)夕霧「香の御唐櫃、御廚子などばかりあるは、こなたかなたにかきよせて」
③ 人を抱き寄せる。懐抱する。
落窪(10C後)二「翁装束ときて臥してかきよすれば」
※続末枯(1918)〈久保田万太郎〉「五秋は古馴染の体をかきよせるやうにした」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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